神秘幽玄のスピリチュアルスポット
青々と広がる雄大な海を望みつつ、海岸線をひた走る。伊豆半島のドライブはいつも爽快だ。今回は不思議な池があるという半島北西端の大瀬崎(おせざき)をめざした。向かいの富士を一望する風情豊かな町並みは、まるで映画のワンシーンのように美しい。
池は海辺からわずか15メートルしか離れていない約300坪の円形で、水面はほとんど海と同じくらいの高さ。海が荒れた日には海水が流れ込むのに、池の水はあくまで真水のままらしい。その不思議な現象から人々はこの池を「神池」と呼び、伊豆七不思議の一つにも数えられている。
国の天然記念物であるビャクシンの樹林に囲まれたその池は正式名称を大瀬明神の神池(おせみょうじんのかみいけ)といい、海上の守り神である「引手力命(ひきてちからのみこと)」をまつる大瀬神社の敷地内にある。池の中に目をやると、なるほど、淡水である証拠に約3万匹の鯉(こい)や鮒(ふな)など淡水魚のが悠々と泳いでいる。なぜこの池が淡水なのか真相はいまだに不明で、池を調べたり魚や動植物を獲ったりする者には祟り(たたり)があるとも。また透明度が低いため詳しい調査はされず、富士山からの伏流水や三島明神の水では?と推測されるなど謎は深まるばかりだ。
池には大瀬崎を航海する船人の安全を守る池明神・水波乃売神がまつられ、地元住民の厚い信仰によって神秘の池として崇められている。鬱蒼とした緑を映す静かな水面を見ていると、水底から今にも神が現れそうな、そんな気分になるから不思議だ。毎年4月4日には大瀬神社の例大祭である大瀬まつりを開催。華やかに飾りつけた漁船の上で繰り広げられる「勇み踊り」を楽しみに、毎年4万人以上の人が訪れる。