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2008年8月13日
「消費税なしで財政再建も考えられないし、安心できる社会保障制度も成り立たない。どうこれから扱っていくか、きちんと道筋を立てていく」
そう福田首相が方針を語れば、町村官房長官が「社会保障を充実するため、負担が増えることへの理解はできつつある。中期的ビジョンを示す必要がある」と応じる。
内閣改造後、政権担当者から消費税を上げる地ならしと受け取れる発言が相次いでいる。国、地方の長期債務の残高が800兆円近くもあり、高齢化で支出が増えていく。それを賄うには国民に負担増を求めざるを得ない。そんな考えが見てとれる。
しかし、である。その前にやっておかねばならぬことがある。財政の無駄や非効率を徹底してなくすことだ。
最近でも、許せない無駄遣いが次々と発覚している。天下りの受け皿になっている特殊法人や独立行政法人による官製談合、あまりに多い公用車、ミュージカルやマッサージチェアにも使われた道路財源と、きりがない。
なんとかしようという動きが自民党内にも出てきた。政務調査会メンバーを中心にした「無駄遣い撲滅プロジェクト」である。肥満問題の「メタボ」にひっかけて「ムダボ」というのだそうだ。遅すぎた感は否めないが、この使命はきわめて重大だ。
チームは公共事業など主要な予算項目ごとに10人程度、計50人ほどの国会議員をあて、無駄や冗費を洗い出す。当面は調査費や広報費のなかに、役割を終えたもの、効果が認められないもの、同種の内容の二重支出などがないかチェックするという。
予算は、財務省がシーリングと呼ぶ上限額を決めて抑制してきた。だがこの方法だと、各省庁の予算要求が枠内に収まっていればそのまま認められがちで、個別の支出の必要度が厳しくチェックされにくい。とくに天下りのための予算など、官僚たちの利権に直結するものは温存されてきた。
官僚によるお手盛り予算は、官僚では削れない。これこそ政治家の役割のはずだ。さらに、本当に必要な分野へ予算を組み替えることにも取り組むべきだ。道路財源の一般財源化がその代表だ。それには「族議員」との正面衝突も覚悟せねばなるまい。
大いに期待したいが、志の低さがいささか心配だ。目標金額を聞くと「3千億~4千億円」という声がもっぱらだが、数兆円単位で切り込まなければ国民の共感は得られまい。
政府も「行政支出総点検会議」を設け、民間人や自治体代表の知恵を借りて無駄をあぶり出す作業を始めた。ムダボチームと競い合えばいい。
政治が自らを律し、真に必要な予算をつくる。それが増税の大前提であることを肝に銘じなければならない。