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2008年8月14日
北朝鮮が拉致した日本人の再調査について、日朝両政府が何とか合意に達した。
北朝鮮が再調査のための委員会を立ち上げ、今秋までに調査を終えることを目指す。見返りに日本政府は凍結してきた人的往来と航空チャーター便の再開を認める、といった内容だ。
再調査にあたっては、北朝鮮はその途中経過を随時日本に報告し、日本側が関係者に面談したり、関係場所を訪問したりすることで、調査結果を直接確認できるように協力するという。
日本政府は「一定の前進」と評価している。閉ざされていた再調査の扉が開くという点では、そうかもしれない。だが、先行きはとうてい楽観できない。
過去の調査でも、北朝鮮の説明は矛盾の多いずさんなものだった。今度こそ、北朝鮮は誠意をもって真剣に取り組むというのだろうか。
日本政府は、再調査について「生存者を発見して帰国につながるような調査」と位置づけている。権限のある北朝鮮の機関が作業にあたり、日本側も随時、状況を確認して意見交換できる態勢づくりを要求した。
そもそも拉致という犯罪を行ったのは北朝鮮という国家なのに、同じ国家に事実解明の調査を委ねざるを得ないもどかしさ。それを考えれば、果たして信頼の置ける調査が可能なのか、根源的な疑問はぬぐえない。
それでも、ここは可能なあらゆる手だてを尽くすことだ。北朝鮮が再調査をするというなら、その作業の内実をしっかりと把握することだ。
独自制裁の部分解除も、6者協議と同じように「行動対行動」の原則で、調査の具体的な動きに応じて制裁解除のカードを切っていくべきだ。
それにしても、日本政府が認定した最初の拉致事件が起きてから31年になる。待ちわびる肉親の姿は、いたずらな時間の浪費が許されないことを示している。
金正日総書記は4年前、白紙の状態から再調査を約束した。その結果、北朝鮮側は横田めぐみさんの「遺骨」を出してきたが、日本側の調査で偽物と鑑定された。
それから日朝は袋小路に入り込み、北朝鮮は「拉致は解決済み」と繰り返すばかりだった。それが2カ月前、再調査やよど号犯の引き渡しを受け入れた。米国によるテロ支援国家の指定解除を促すため、対日姿勢を和らげたのだろう。
だが、実際の指定解除は、北朝鮮が核計画の申告をめぐる検証を受け入れないことから、先送りされている。
北朝鮮は約束をきちんと実行することだ。その行動は実の伴うものでなければならない。再調査を形だけのものに終わらせてはならない。