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関越道花園ICから25分。みなの寄居有料道路はトンネルが多いが、走りやすい快適な道。そのトンネルを抜けると、夏山の緑がフロントガラスに広がった。
目指す阿左美冷蔵は、皆野・長瀞ICから国道140号線に出て、長瀞駅方面へ向かえばすぐ。通りから奥まっているが、道沿いに「天然氷」ののぼりがはためいているのが見えるはずだ。
「天然氷には旨味や甘みがあって、普通の無味無臭の氷とは全然違うと思いますよ。まず味わってみて」 と、主人の阿左美哲男さん。季節によって変わる多彩なメニューの中から、夏限定の「丸ごとみかん」と、レギュラーメニューの「せん茶あずき」を注文。氷を口に含むと、ふわりと舌の上で溶ける。
半分ほど食べ終わって氷が溶け始めると、普通の氷との差が一層はっきりする。通常のかき氷は溶けるとジャリジャリするが、天然氷の方は、いつまでもシャリシャリと軽やかなのだ。
その天然氷は、宝登山北にある専用池に沢水を引き込み、冬の寒さで自然に凍らせて作る。毎日毎日ゴミをとり続けるなど、大変な手間がかかる貴重な氷だ。
「温暖化の影響で、10年後には、もう天然氷のかき氷は無理」。だから、これからはシロップにこだわっていく。「ベースになる氷蜜は、氷砂糖に四国の和三盆糖をブレンドしています。もう一つのこだわりは、召し上がっていただく空間を整備していくことです」
その言葉通り、緑に囲まれた中庭、昭和レトロの雰囲気が漂う室内など、店は風情たっぷり。10年後には食べられないと聞くと、氷の味わいもひとしおだ。
天然かき氷を堪能した後は、宝登山神社に参拝し、さらにロープウエーで空中散歩。山頂周辺を歩いて汗をかいたので、昼食を兼ねて緑濃い山道を走り、秩父温泉満願の湯へ足を延ばす。
滝を望む露天風呂に浸かり、アワ、ヒエなどを炊き込んだ名物の黄金めし(1100円)に舌鼓。最後は長瀞ライン下りで、水しぶきを浴びながらスリル満点の舟下りを楽しんだ。
駅前駐車場へ戻る途中、岩畳通りの丹一漬物処で、瑞々しいキュウリの浅漬けを串に刺して売っていた。よく冷えて、ポリポリとした歯ごたえがまたいい。
貴重な天然氷のかき氷に爽やかな川下り、気持ちのよい温泉、冷えたキュウリの漬物……。夏の暑さを忘れた1日ドライブだった。