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民主党代表選―決戦への備えは整うか

2008年8月23日

民主党代表選が迫るなか、小沢代表の無投票3選が確定的になった。対立候補と目された議員が次々と不出馬を表明し、名乗りをあげようとした野田佳彦広報委員長も、自らのグループ内の反対論に押し切られ断念した。

 解散・総選挙の足音が刻々と近づいている。いまは党が結束すべきで、しこりを生みかねない代表選は得策ではない――。それが現時点で党内の大方の考えということのようだ。

 確かに、昨年の参院選を与野党逆転に導いた実績を思えば、小沢代表の再選こそが政権獲得への近道という判断は間違ってはいないかもしれない。

 だが、2年に1度の代表選は、国民が注視するなかで党の進路について議論を戦わす絶好のチャンスだ。本来なら総選挙へ向け、民主党政権ならこうするという政治と社会の青写真を描き出し、国民の信頼と期待を勝ち取る舞台にしなければならないはずだ。

 残念ながら、今回はそうした場は失われそうである。ならば、続投する小沢代表に求めたいことがある。総選挙に向けたマニフェストづくりで、代表選に匹敵するような、オープンで活発な党内論議に取り組むことだ。

 民主党の政策には、不十分な点や生煮えの部分が少なくない。

 たとえば参院選では、農家の戸別所得補償などの政策を掲げ、それに必要になる15.3兆円の財源を「行政のムダ排除」で生み出すとした。与党だけでなく、党内でも前原誠司前代表から不可能だとの指摘がある。

 安全保障をめぐっては、国連のお墨付きがあれば、武力行使を含む活動でも自衛隊の参加は憲法に抵触しない、というのが小沢氏の原則論だ。政府の従来の憲法解釈を一変させるものだが、これにも党内外の批判がある。

 「小沢氏に逆らえば干される」。党内でそんな言葉がいまだにささやかれる現実が、民主党への国民の信頼がいまひとつ広がらない原因ではないのか。前原氏はもちろん、野田氏や、代表選出馬への強い待望論があった岡田克也元代表らが、先頭に立って議論を盛り上げてもらいたい。

 秋の臨時国会では対決一辺倒の小沢路線がさらに強まりそうだが、それだけでは物足りない。国会での論戦で、民主党の政治こそ国民を安心させられるという姿を見せてほしい。

 もうひとつ、民主党に真剣に検討してもらいたいのは、そもそも代表の任期を2年と区切っていることが妥当かどうかということである。

 二大政党時代の政権選択は基本的に総選挙で争われる。任期は次の総選挙までとし、勝てば首相になり、負ければ退く、というルールに変えてはどうか。そうすれば、政権獲得という目標が一層はっきりし、そのための態勢づくりにじっくり取り組めるはずだ。