|
スポンサーにご協力をお願い致します。 |
2008年8月26日
いよいよ米大統領選が本番に入る。民主党はコロラド州デンバーで党大会を開き、バラク・オバマ氏を候補者として正式に選出する。共和党も9月1日からの党大会でジョン・マケイン氏を選ぶ。11月4日の投票日に向けて、選挙戦のスタートだ。
4日間の党大会では、副大統領候補も決める。お祭りのような雰囲気の中で正副大統領候補の人柄や政策をアピールし、およそ2カ月間の戦いの門出を盛り上げる。
だが、米国内のムードは沈滞している。住宅バブルがはじけて、失業率は6%に迫ろうとしている。米国民は住宅ローンの破綻(はたん)やガソリンの高騰、物価高に苦しんでいる。
国内経済の立て直しが論戦の大きなテーマになるのは自然なことだろう。イラク戦争にもかかわらず米経済は好調を続け、米国民は豊かな消費生活を享受してきた。それが暗転したのだから、有権者が不安を募らせるのは分かる。米経済が立ち直ってくれないと、世界経済も不安定が続くし、日本の暮らしにも影響する。
ただ、議論があまり内向きになっては困る。唯一の超大国・米国が世界に対して担う責任は、経済だけにとどまらないからだ。
予備選挙で旋風を巻き起こしたオバマ氏が今夏、欧州や中東の歴訪で大歓迎を受けた。ベルリンでは20万人もの聴衆が詰めかけた。この7年余り、イラク攻撃に突き進むなど、単独行動主義と批判されることの多かったブッシュ大統領に対する不満の裏返しでもあったろう。
米大統領の政策によって、世界中の政治や暮らしがどれだけ大きな影響をこうむるか。海外でのオバマ人気はそれを物語っているのではないか。
イラクでは、米軍兵士の犠牲が目に見えて減ってきた。マケイン氏は増派作戦の成功を強調している。オバマ氏はイラクから撤兵して、アフガニスタンへの増派を主張している。今後、この地域の安定をどう実現するのか、同盟国や国連にどんな役割を期待するのか。米国民だけでなく世界に対して語ってもらわなければならない。
地球温暖化や北朝鮮、イランの核問題への取り組みなど、ほかにも聞きたいことは山ほどある。
投票日までに両候補は3回の討論会を行う。それに加えて、アジアやイスラム諸国の記者から質問をうける機会を設けてはどうだろう。候補者のメッセージが外国でどう受け止められているかは、米国の有権者にも重要な判断材料になろう。
景気の悪化に直面し、テロとの戦いの先行きに不安を覚えているのは、米国民だけではない。米国の世論が他国と共鳴しあう。そんな大統領選にする工夫はないものだろうか。