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标题: 睡眠学 日本睡眠学会 編 [打印本页]

作者: 顾汉现    时间: 2016-5-4 16:41
标题: 睡眠学 日本睡眠学会 編
睡眠学

睡眠学
B5/760ページ/2009年01月30日
ISBN978-4-254-30090-1 C3047
定価30,240円(本体28,000円+税)

日本睡眠学会        編

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世界の最先端を行くわが国の睡眠学研究の全容を第一線の専門家145名が解説した決定版。〔内容〕睡眠科学(睡眠の動態/ヒトの正常睡眠他)/睡眠社会学(産業と睡眠/特殊環境/快眠技術他)/睡眠医歯薬学(不眠症/睡眠呼吸障害/過眠症他)

執筆者一覧
【編集委員】
本多和樹,福田一彦,塩見利明,内山真,大川匡子
【執筆者(五十音順)】
赤柴恒人,浅岡章一,足立浩祥,阿部高志,池田真行,井澤志名野,石郷岡純,石原金由,伊藤朝雄,伊藤洋,井上勝裕,井上昌次郎,井上雄一,井深信男,碓氷章,内田直,内村直尚,内山健志,内山真,裏出良博,江崎和久,海老澤尚,江村成就,大井元晴,大井田隆,大川匡子,大倉一夫,太田龍朗,小野卓史,
梶村尚史,加藤稲子,加藤隆史,兼板佳孝,亀井雄一,粥川裕平,寒重之,神林崇,菊池哲,杵渕彰,木村弘,木村昌由美,粂和彦,栗山健一,桑木共之,香坂雅子,河野正己,神山潤,児玉亨,小林敏孝,小林理子,小山恵美,小山純正,近藤英明,
齋藤紀子,酒井一弥,榊原博樹,阪野勝久,櫻井進,桜井武,佐々木三男,佐藤伸介,佐藤誠,塩見利明,篠邉龍二郎,澁井武夫,清水徹男,白川修一郎,杉崎正志,杉田義郎,鈴木健修,鈴木崇浩,諏訪浩,勢井宏義,
高草木薫,高崎雄司,高橋清久,高橋敏治,高橋正洋,高橋正也,田ヶ谷浩邦,竹内朋香,武村真治,立花直子,田中秀樹,谷川武,田村義之,千葉茂,陳和夫,對木悟,土井由利子,戸苅創,
中尾光之,中島亨,永嶋秀敏,中山秀章,成井浩司,西野精治,西原京子,野田明子,
長谷川毅,早石修,林光緖,原浩貴,原田哲夫,日暮尚樹,菱川泰夫,飛田渉,平井恵二,平田幸一,福田一彦,福水道郎,藤木通弘,藤村昭夫,堀忠雄,本多和樹,本多真,本間研一,本間さと,
松浦雅人,松永直樹,松村人志,松本一弥,三枝理博,三木健寿,三﨑将也,三島和夫,水野康,三次正春,宮内哲,三宅健夫,宮崎総一郎,宮下明,宮本智之,宮本雅之,村崎光邦,森田雄介,
八木朝子,薬師寺史厚,山内武巳,山城義広,山田史郎,山田尚登,山寺博史,吉田和也,吉田祥

目次
序 章 睡眠論の系譜と睡眠学の発展
 0-1 論議の概観
 0-2 年代からみた睡眠論の変遷

第Ⅰ部 睡眠科学

概 説
第1章 睡眠の動態
 1-1 睡眠行動
 1-2 睡眠の進化と発達
第2章 正常睡眠
 2-1 正常睡眠の特徴
 2-2 入眠過程
 2-3 終夜睡眠経過
 2-4 睡眠時の深部体温と自律神経活動
第3章 睡眠覚醒調節の神経機構
 3-1 睡眠脳波の発生機構
 3-2 視床下部と睡眠
 3-3 レム睡眠の神経機構
 3-4 睡眠と筋緊張調節
第4章 睡眠覚醒調節の液性機構
 4-1 睡眠物質の生理学
 4-2 メラトニン
 4-3 アデノシン
 4-4 プロスタグランジン
 4-5 オレキシン
 4-6 モノアミン,アセチルコリン作動性機構の睡眠覚醒調節に関する役割
 4-7 睡眠覚醒調節とアミノ酸,ペプチド,その他
 4-8 ニューロアクティブ・ステロイド(ニューロステロイド)
 4-9 睡眠薬の作用機序
第5章 睡眠と遺伝学
 5-1 睡眠覚醒調節の分子遺伝学
 5-2 睡眠関連遺伝子
 5-3 ナルコレプシーの分子遺伝学
第6章 睡眠と自律機能
 6-1 循環器系と睡眠
 6-2 呼吸器系と睡眠
 6-3 消化器系と睡眠
第7章 睡眠と体温調節
 7-1 体温の調節機構
 7-2 睡眠と体温調節
 7-3 環境温度と睡眠
 7-4 発熱と睡眠
第8章 睡眠と摂食調節
 8-1 摂食調節の神経機構
 8-2 エネルギー摂取・消費バランスが睡眠・覚醒に与える影響
 8-3 睡眠が摂食調節に与える影響
第9章 生物リズムと睡眠
 9-1 生体リズムとしての睡眠と覚醒
 9-2 睡眠覚醒リズムの振動機構
 9-3 睡眠覚醒リズムとウルトラディアンリズム
 9-4 睡眠覚醒リズムの個体発生
 9-5 睡眠覚醒リズムと生体機能
 9-6 睡眠覚醒リズムと季節変動
 9-7 睡眠覚醒リズムと時間感覚
 9-8 睡眠覚醒リズムと時差,交代勤務
 9-9 睡眠覚醒リズムの振動モデル
 9-10 睡眠覚醒リズムの分子生物学
第10章 睡眠と記憶・学習
 10-1 記憶の種類
 10-2 宣言的記憶と睡眠
 10-3 手続き的記憶と睡眠
第11章 睡眠と夢
 11-1 夢のメカニズム:レム・ノンレム睡眠の夢
 11-2 レム睡眠と眼球運動
 11-3 情動と悪夢
 11-4 入眠時心像
 11-5 明晰夢
 11-6 睡眠と催眠・暗示
 11-7 夢の文化史
第12章 睡眠の研究法(1)-ヒトの眠りを測る
 12-1 ヒト睡眠ポリグラフ記録と脳波解析
 12-2 睡眠時の心拍,血圧変動における自律神経機能の測定
 12-3 アクチグラフィによる計測
 12-4 日中の眠気の測定法
 12-5 睡眠調査
 12-6 PETで睡眠を観る
 12-7 fMRIによる睡眠研究
第13章 睡眠の研究方法(2)-動物の眠りを測る
 13-1 脳内活性物質の測定法
 13-2 睡眠覚醒ニューロン活動の記録法
 13-3 神経活動の時系列解析と睡眠研究への応用
 13-4 ラットの睡眠測定法
 13-5 睡眠障害と動物モデル

第Ⅱ部 睡眠社会学

概 説
第14章 産業と睡眠
 14-1 サマータイム
 14-2 シエスタ
 14-3 24時間社会
 14-4 交通事故
 14-5 産業事故
 14-6 交代制勤務
 14-7 非交代制勤務
 14-8 睡眠障害の経済的評価
 14-9 産業医
 14-10 道路交通法改正
第15章 社会と睡眠
 15-1 日本人と夜型化
 15-2 メディアの影響
 15-3 スポーツと睡眠
 15-4 睡眠と寿命
 15-5 睡眠と妊娠
 15-6 育児と母親の睡眠
 15-7 発達期の睡眠問題
 15-8 睡眠の男女差
 15-9 高齢者の睡眠健康の改善
第16章 特殊環境での睡眠
 16-1 宇 宙
 16-2 潜 水
 16-3 高 所
第17章 睡眠の個人差
 17-1 長時間睡眠者と短時間睡眠者
 17-2 朝型と夜型
第18章 睡眠環境と快眠技術
 18-1 光環境と騒音
 18-2 香料・寝具・食品
 18-3 日中の行動と温度調節(入浴,運動,頭部冷却,局所温熱制御)
 18-4 仮眠・時差ぼけへの対処

第Ⅲ部 睡眠医歯薬学

概 説
第19章 睡眠障害の臨床-歴史と現況
 19-1 睡眠障害研究の歴史
 19-2 研究と診断・治療機関の歴史
 19-3 診断分類法の変遷
第20章 睡眠障害治療学総論
 20-1 非薬物療法
 20-2 薬物療法
第21章 不眠症
 21-1 不眠症とは
 21-2 精神生理性不眠症
 21-3 逆説性不眠症
 21-4 突発性不眠症
第22章 睡眠呼吸障害
 22-1 睡眠呼吸障害の診断分類
 22-2 睡眠呼吸障害の治療学総論
 22-3 各種検査法とそれらの信頼性
 22-4 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
 22-5 中枢性睡眠時無呼吸症候群
 22-6 Cheyne-Stokes呼吸
 22-7 肥満低換気症候群
 22-8 肥満と生活習慣病
 22-9 睡眠呼吸障害と循環器疾患
 22-10 睡眠呼吸障害と神経疾患
 22-11 小児の睡眠呼吸障害
 22-12 CPAP治療-歴史と現況
 22-13 耳鼻咽喉科治療-歴史と現況
 22-14 口腔内装置治療
 22-15 睡眠時無呼吸症候群スクリーニング
第23章 過眠症
 23-1 ナルコレプシー
 23-2 特発性過眠症
 23-3 反復性過眠症
 23-4 睡眠不足症候群
第24章 概日リズム睡眠障害
 24-1 概日リズム睡眠障害の分類
 24-2 睡眠相後退型(睡眠相後退症候群)
 24-3 睡眠相前進型(睡眠相前進症候群)
 24-4 不規則睡眠覚醒型(不規則睡眠覚醒パターン)
 24-5 自由継続リズム型(非24時間睡眠覚醒症候群)
 24-6 ジェットラグ型(時差症候群)
 24-7 交代勤務型(交代勤務症候群)
 24-8 内科疾患によるもの
第25章 睡眠時随伴症
 25-1 ノンレム睡眠からの覚醒に関連した病態
 25-2 通常レム睡眠に関連する睡眠時随伴症
 25-3 その他の睡眠時随伴症
第26章 レム睡眠行動障害
 26-1 レム睡眠行動障害研究の歴史
 26-2 症状と診断基準
 26-3 鑑別診断
 26-4 疫学的事項
 26-5 病 態
 26-6 治 療
 26-7 経過と予後
第27章 その他の睡眠障害
 27-1 外在因性睡眠障害
 27-2 長時間睡眠
 27-3 いびき
第28章 一般身体疾患による睡眠障害
 28-1 神経内科疾患
 28-2 消化器内科疾患
 28-3 循環器内科疾患
 28-4 呼吸器内科疾患
 28-5 内分泌疾患
 28-6 小児科病態
第29章 精神疾患・行動障害による睡眠障害
 29-1 気分障害
 29-2 不安障害
第30章 睡眠歯学
 30-1 睡眠歯学
 30-2 睡眠時ブラキシズム
 30-3 睡眠関連顎関節症
 30-4 睡眠呼吸障害の顎顔面形態
 30-5 口腔内装置の適応と効果
 30-6 国内外の口腔内装置
 30-7 睡眠に関する口腔衛生
第31章 睡眠薬学
 31-1 睡眠薬学の歴史と現況
 31-2 精神刺激薬
 31-3 睡眠薬
 31-4 その他の睡眠障害治療薬
 31-5 睡眠障害に対する漢方治療
第32章 睡眠検査医学
 32-1 睡眠検査医学-歴史と現況
 32-2 睡眠ポリグラフ検査(PSG)の測定法と判定
 32-3 MSLTとMWT
 32-4 疾患と特殊検査
 32-5 国内外の認定検査技師制度
第33章 日本睡眠学会の学会認定制度
 33-1 日本睡眠学会睡眠医療・認定制度誕生の歴史
 33-2 睡眠医療・認定制度誕生の背景
 33-3 睡眠医療・認定制度の概要
 33-4 認定試験において求められる医学的知識と技能の水準
 33-5 これからの課題

付録1 睡眠呼吸障害(SDB)診断アルゴリズム
付録2 睡眠呼吸障害(SDB)治療アルゴリズム
あとがき
索 引



http://www.asakura.co.jp/G_12.php?isbn=ISBN978-4-254-30090-1
作者: 现代化研    时间: 2016-5-6 12:06
脳神経系

2014年3月22日 土曜日

知っておきたい高齢者の不眠診療  

井上雄一教授

2014年3月12日 MMパークビル6Fエーザイ株式会社横浜コミュニケーションオフィス
演題「知っておきたい高齢者の不眠診療 -対応と処方のコツ-」
演者:東京医科大学睡眠学講座教授 井上雄一先生
内容「
年齢とともに睡眠時間のうちの、生まれたばかりはほぼ半分をして目ているレム睡眠が主として減少してくる。10台を超えるとノンレム睡眠も都市とともに減少してくる。



Roffwarg, HP., Muzio, JN., Dement, WC. 1966 Ontogenic development of the human sleep-dream cycle. Science 152: 604-19. を一部改変
参: レム睡眠とノンレム睡眠
レム睡眠の特徴としては、
①急速眼球運動があらわれること、
②脳波が入眠期から軽睡眠期に似たパターンを示すこと、
③身体の姿勢を保つ筋肉(抗重力筋、姿勢筋)の緊張がほとんどなくなること、などです。その他の特徴として、
④感覚刺激を与えても目覚めにくい。
⑤レム睡眠には脈拍、呼吸、血圧など自律神経機能が不規則に変化し、この時期には性器の勃起が起こるため、自律神経系の嵐とも呼ばれる。
⑥この時期に眠りについている人を起こすと80%以上の人が夢を見ているなどがあげられます。レム睡眠はヒトでは全体の睡眠の約20%を占めますが、新生児では50%にも達しており、成長するに従って減少していきます(図9)。このことからレム睡眠の役割として中枢神経系の発達に関連すると考える説もあります。また、昼間に多く学習した日は、夜にレム睡眠が増加することなどから、記憶情報処理などに重要な働きをしていると考えられています。このように脳は働いているが、身体の筋肉がゆるんでいることから、身体の睡眠ともよばれています。
 これに対してノンレム睡眠の特徴としては、
①入眠期の浅い睡眠段階ではゆっくりと揺れるような眼球運動がみられるが、その後、睡眠が深くなると眼球の動きは停止する。
②脳波は活動が低下し、周波数が遅くなる。
③身体の筋肉の緊張は保たれ、
④脈拍、血圧、呼吸が安定し、
⑤この時期に眠っている人をおこすと、目覚めが悪く、夢を見ていることは少ない。またこの時期には後に述べるように成長ホルモン分泌や蛋白同化が行われ、また、免疫増強作用がある。このようなノンレム睡眠は大脳の睡眠ともよばれます。
 レム--ノンレム睡眠は併せて疲労、ストレスが回復する役割を果たしているといえましょう。
ノンレム睡眠(徐波睡眠)    レム睡眠(夢見睡眠)
  大脳の睡眠     
  成長ホルモン分泌     身体の睡眠
  体温低下           記憶の固定、消去、学習
  蛋白同化
  免疫機能増加        情報処理?
         疲労、ストレスの回復

睡眠の段階別にみてみると、深い睡眠といわれているStage3+4(SWS)が高齢者になると著減し、65歳を超えるとStage4はほとんどみられる、70歳を超えるとStage3もほとんど見られなくなってくる。

それ以外の特徴としては、下記の図にある黒く塗られている覚醒段階が増えてきて、睡眠が浅くなって、中途覚醒が増えることになる。

三島和夫 1998.老年者の睡眠 井上昌次郎(監)
「眠りのバイオロジー」 メデイカル・サイエンス・インターナショナル P12-14
生体のリズム周期のひとつとして体温の変化があるが、若年健康人は体温の高低差が大きく高齢者になると体温変化が小さくなる。このことが夜の眠りが浅いことに関係しているといわれている。その上体温低下の時間帯が前倒しになり、寝る時間もそのれに応じて早寝早起きになっている。

(講演で提示された図表はこのグラフが一体化したもの)
この体温変化を担っている一つの物質としてメラトニンがあげられる。

このメラトニンであるが、下図にあるように高齢者においては分泌量が低下しており、この変化が体温低下にも影響していると考えられている。

また、メラトニンの分泌は日中少なく、真夜中にピークを迎える。光を浴びてから14時間以上たたないとメラトニンの分泌が起こらない。

不眠の原因としては以下のような原因がある。
① 心理学的原因:ストレス、重篤な疾患、人生の大変化などが原因で起こる不眠。
② 身体的原因:さまざまな身体的疾患や、その症状(痛み、かゆみ、咳、頻尿、発熱)が原因で起こる不眠。
③ 薬理学的原因:アルコールやカフェインなどの嗜好品に含まれる成分や、治療のため服用している薬(降圧剤、アレルギー薬、ステロイド薬など)が原因で起こる不眠。
④ 生理学的原因(概日リズムの乱れ):ジェット時差(時差ぼけ)、交代勤務、短期の入院などが原因で起こる不眠。(*呼吸調節系の老化:睡眠時無呼吸症候群4-5%に見られるが、60歳以上では10%を超えるといわれている。 *上位脊髄の運動・感覚抑制系の障害:ムズムズ足症候群など)
⑤ 精神医学的原因:アルコール依存症、不安、パニック障害、大うつ病などが原因で起こる不眠。
これらの要因が相互に関連しあって、不眠が生じ、より悪化させている。

不眠症には4つのタイプがあり、下記のような症状が、1ヵ月以上続き、社会生活に支障がある場合を「不眠症」という。
入眠障害:床に入ってもなかなか寝つけない、眠りにつくのに30分~1時間以上かかり、それを苦痛と感じる。
中途覚醒:夜中に何度も目が覚めて、その後、なかなか寝つけない。
早朝覚醒:朝早く目が覚めて、もう一度眠ることができない。
熟眠障害:睡眠時間は十分なのに、ぐっすり眠った感じが得られなかったり、眠りが浅いと感じたりする。
年代別の睡眠障害の頻度を見てみると

財団法人健康・体力づくり事業財団:平成8年度健康づくりに関する意識調査、報告書(1997)

米国で実施された調査(1982-1988年、女性636095人、男性480841人の睡眠時間と6年後の死亡率の関連を検討したものが、下記の図であり、59歳以下の場合には睡眠時間が短いほど予後が悪いが、高齢になってくると、長時間睡眠者の死亡率の上昇が顕著となってくる。

Kriple, D.F. Archives of GeneralPsychiatry 1979;36:103-116

不眠症により以下の弊害や障害が生じやすくなってくる。
① QOLの低下
② うつ病発現のリスク上昇
③ 認知機能障害
④ α-synucleinopathy(パーキンソン病、レビー小体病、多系統委縮症を総称した言葉)への発展
⑤ 転倒・受傷リスクの上昇
⑥ 心血管系合併症・死亡率の増加
などがみられる。
不眠治療のアルゴリズムを以下の表に示す。
先ずは患者さんの病態を把握することが大切である。身体的な要因やその他の睡眠障害の因子を評価し、睡眠衛生指導を行う。

*** 参:睡眠衛⽣生のための指導内容 ***
定期的な運動:なるべく定期的に運動しましょう。適度度な有酸素運動をすれば寝つきやすくなり、睡眠が深くなるでしょう。
寝室環境:快適な就床環境のもとでは、夜中の⽬目が覚めは減るでしょう。⾳音対策のためにじゅうたんを敷く、ドアをきっちり閉める、遮光カーテンを⽤用いるなどの対策も⼿手助けとなります。寝室を快適な温度度に保ちましょう。暑すぎたり寒すぎたりすれば、睡眠の妨げとなります。
規則正しい⾷食⽣生活:規則正しい⾷食⽣生活をして、空腹のまま寝ないようにしましょう。空腹で寝ると睡眠は妨げられます。睡眠前に軽⾷食(特に炭⽔水化物)をとると睡眠の助けになることがあります。脂っこいものや胃もたれする⾷食べ物を就寝前に摂るのは避けましょう。
就寝前の⽔水分:就寝前に⽔水分を取りすぎないようにしましょう。夜中のトイレ回数が減ります。脳梗塞塞や狭⼼心症など⾎血液循環に問題のある⽅方は主治医の指⽰示に従ってください。
就寝前のカフェイン:就寝の4時間前からはカフェインの⼊入ったものは摂らないようにしましょう。カフェインの⼊入った飲料料や⾷食べ物(例例:⽇日本茶茶、コーヒー、紅茶茶、コーラ、チョコレートなど)をとると、寝つきにくくなったり、夜中に⽬目が覚めやすくなったり、睡眠が浅くなったりします。
就寝前のお酒:眠るための飲酒は逆効果です。アルコールを飲むと⼀一時的に寝つきが良良くなりますが、徐々に効果は弱まり、夜中に⽬目が覚めやすくなります。深い眠りも減ってしまいます。
就寝前の喫煙:夜は喫煙を避けましょう。ニコチンには精神刺刺激作⽤用があります。
寝床での考え事:昼間の悩みを寝床に持っていかないようにしましょう。⾃自分の問題に取り組んだり、翌⽇日の⾏行行動について計画したりするのは、翌⽇日にしましょう。⼼心配した状態では、寝つくのが難しくなるし、寝ても浅い眠りになってしまいます。
日本人の不眠症の有病率は20%強と考えられている。

不眠の割合は国によっても異なるし、年齢によっても異なってくる。概して、高齢者女性に多い傾向にある。

不眠の訴えの国際比較

不眠の年齢比較
高齢になると、睡眠薬の服用頻度も上昇してくる。

睡眠薬の使用率
日本においては、医師のもとを訪れて、睡眠薬を処方してもらうことを選択するよりも、アルコールに頼っている場合が少なくない。

睡眠薬にはいくつかの種類がある。以前はベンゾジアゼピン系薬剤しかなかったが、近年、アモバン、マイスリー、ルネスタといった非ベンゾジアゼピン系薬剤(ベンゾジアゼピン系薬剤の中で筋肉の弛緩作用が弱いタイプのもの:ふらつき転倒が少ない)、メラトニン製剤であるロゼレムが発売され、治療薬に幅が出てきた(バルビツール系薬剤は、一般的にはほとんど使われていない)。

睡眠薬に対する不安としては、依存性がありやめられなくなることや飲み続けることにより薬の効果が減弱・消失すること、翌日への持越しが多い。

2006年の内村の報告によると、翌日の眠気・倦怠感、ふらつき・転倒がそれぞれ1/4程度見られた。

ルネスタの投与では、高齢者においても日中の活動機能が向上し、軽民といった副作用は3.7%と低率であった(味覚障害が多いのがこの薬剤の特徴で、ある患者さんは、服用するときにすぐに呑み込むようにされている)。

ルネスタとプラセボ投与の比較では、長期間服用した群と途中から投与した群では睡眠潜時に変化はほとんど見られず、有害事象も両群間で差がなかった(見方を変えると、プラセボのみの投与期間においても、睡眠潜時は明らかに改善していることからもわかるように、寝る前の精神状態が、不眠に大きく影響している)。

突然の睡眠薬の中止によっても、一過性に睡眠潜時はやや伸びるが、その後すぐに、元の状態に移行しているので、反跳性不眠の少ない薬剤といえる。

参:不眠への対処法

http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html

早川 達郎CLINICAL NEUROSCIENCE 22(1):51-54,2004、臨床精神医学34:45-51,2005

详细和图表:

http://www.kawamuranaika.jp/blog/2014/03/post-146-795768.html



睡眠周期、寝返り、ホルモン分泌…一晩の眠りにもリズムあり:

http://nemuri-lab.jp/story/point/659/



睡眠文化研究会:

http://sleepculture.net/index.html



【レポート】 睡眠科学から小説、絵本まで!多彩なジャンルの “眠り”の本が、あなたの眠りを楽しくするライブラリ:

http://nemuri-lab.jp/report/2290/



脳波から人の状態を探る:

http://www.ccr.kyutech.ac.jp/pro ... i3-1/entry-605.html



井上昌次郎:

https://www.google.com/search?q= ... Q_AUIBigA&dpr=1






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