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睡眠障害 (Sleep disorders)

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发表于 2016-5-4 16:08:35 | 只看该作者 回帖奖励 |正序浏览 |阅读模式
睡眠障害 (Sleep disorders)

九州大学健康科学センター 山本和彦
                                           
あらゆる生き物は、一定時間毎に睡眠をとって、脳と体を休ませなけ れば生きていくことはできません。ヒトは毎日8時間程度の睡眠を毎日とるため、75歳まで生きる人は人生の25年間を睡眠に使う計算になります。このよう に我々は長い時間を睡眠に使っていますが、睡眠の生理学については意外に知られていません。また、寝つきが悪い、途中で目が覚めて眠れない、朝早く目が覚 めて一日中眠たい、恐ろしい夢にうなされる、昼と夜が逆転するなどの睡眠の異常は、大抵の人が一度は経験したことがあるに違いありません。人のライフスタ イルが変化して都市が24時間機能するようになり、夜間に目覚めている人が増えるとともに、生体リズムの乱れによる心身の不調や睡眠障害を訴える人が激増 しています。ここでは、睡眠の生理学と睡眠障害について概説します。


睡眠の一般論
ヒトの成人の3分の2は、毎夜6-9時間の睡眠をとっています。残 り3分の1程度が、睡眠時間が6時間以下の人(short sleepers)か、9時間以上の人(lomg sleepers)です。成人の20%程度がshort sleepersで、10%程度がlong sleepersと 言われています。short sleepersの典型はトマス・エジソンで、1日4-5時間の睡眠で十分でしたが、long sleepersの典型はアインシュタインで、毎日少なくとも10時間は眠らないと不調だったそうです(Sleep Right in Five Nights 1993: 28-29)。長く眠ったほうが心身の回復がよいかというと必ずしもそうではな く、個々人に必要な睡眠時間は生まれつき決まっていると考えられています。毎日40分から1時間半しか眠らずに長年日常活動を続けることができた人の記録 がありますので、ナポレオンが3時間しか眠らなかったという逸話も、ウソではないかも知れません。人の睡眠時間は7-8時間と決まっておらず、翌日眠気が なく快調に活動することができる時間が、その人にとって最適の睡眠時間ということになります(Sleep Right in Five Nights 1993: 28-31)。

1965年に、連続して264時間眠らなかった人が観察されていま す。この被験者は、4日目からイライラ感や集中力低下が現れましたが、精神・身体活動のパフォーマンスはあまり低下しませんでした。実験終了後、この人は 14時間半眠ったあと、8時間睡眠の通常生活に戻りました(Sleep Right in Five Nights 1993: 31-33)。このことから、人は睡眠不足だけで死ぬことはなく、睡眠不足後にと る睡眠は深く、睡眠によって心身は速やかに回復すると考えられています。しかし、睡眠不足では免疫機能が低下するため、徹夜が続いたあとに風邪をひいた り、口内炎ができたりすることは、よく経験されることです。



図1 

入眠とともにnon-REM睡眠が始まり、睡眠が次第に深まってstage4の深い睡眠に達する。その後睡眠が浅くなり、stage2からREM睡 眠に移行する。これが睡眠の1サイクルで、約90分である。stage3と4 の深い睡眠は睡眠の前半に起り、睡眠の後半ではstage2の浅い睡眠が多く なる。REM睡眠の時間は、睡眠の後半にかけて少しずつ長くなる。



図2 睡眠脳波

睡眠の生理学
睡眠を生理学的に観察するには、脳波(EEG)・筋電図(EMG)・ 電気眼振図(EOG)などが用いられます。睡眠は、眠っているにもかかわらず 眼球運動の激しいREM(rapid eye movement) 睡眠と眼球運動のほとんどないnon-REM(non- rapid eye movement) 睡眠の二つに大別 されます。

non-REM睡眠
non-REM睡 眠は、EEGパターンと睡眠の深さによって、眠りの浅いstage1から深いstage4 まで、4段階に分けられます(図1)。

人は寝床に入ると、うとうとしはじめます。この覚醒から入眠にいた る課程がstage1です。この段階は通常30秒から10分程度続き、EEGでα波が次第に消失し、やや周波数の低いθ波が現れます(図2)。この段階から筋 肉がリラックスし体温が下がり始めますが、ゆっくりとした眼球運動がまだ残っています。外的刺激で目覚めると、睡眠者はまだ眠っていなかったと感じます。 次いで、EEG上にK複合(K-complex) と称する特異な波動が出現し、stage2に進みます(図2)。stage2は30-45分続き、この段階で眼球運動は消失しますが、まだ容易に睡眠者 を覚醒させることができます。通常の睡眠では、このstage2の時間が最も 長く、全睡眠時間の約50%を占めます(Principles of Internal Medicine 1991: 209-217)。

次いで、EEG上にδ波が現れ、stage3 の深い睡眠に入ります(図2)。stage3と次のstage4は周波数の低いδ波が中心であるため、徐波睡眠(slow-wave sleep)と呼ばれます。この段階に入ると、呼吸数・心拍数が減少し、音・光刺激に対する感受性が低下して、睡眠者は容易に覚醒しませ ん。全睡眠の15-25%を占めるstage3とstage4の深い睡眠が心身の活力の回復に最も重要であり、深い睡眠のない眠りは起床 時に爽快感を味わうことはできません。アルコールを飲んで寝ると、深い睡眠の時間が短くなります(Principles of Internal Medicine 1991: 209-217)。深い睡眠は睡眠の前半に集中し、睡眠の後半には出現しません。stage4に進んでしばらくすると、睡眠は逆にstage4→stage3→stage2と浅くなり、stage1 に戻らずにREM睡眠に移行します。

REM睡眠
REM睡 眠では、睡眠者は夢を見ており、夢に合わせて眼球が素早く動いています。心拍数が増加し、男性では陰茎が勃起し、夢精をすることがあります。また、女性で は陰核が勃起し、膣の血流が増加します。これらはREM睡眠の生理現象の一つ であり、必ずしも夢の内容と関係はありません。EEGはstage1に似たパターンを示し、脳は一種の興奮状態にありますが、体はほとんど麻痺 して動きません。怖いものが夢に出てきて必死で逃げようとして、手足をいくら動かしても前に進まず、驚いて飛び起きた経験は誰にもありますが、これはREM睡眠中の夢によるものです。REM睡眠は、全睡眠の20-25%を占めます(Sleep Right in Five Nights 1993: 37-39)。

発生学的に脳の新しい部分が皮質で、古い部分が脳幹です。REM睡眠中は、脳幹の神経細胞と随意筋の連絡は遮断されています。REM睡眠では皮質は自発活動を停止していますが、脳幹の神経細胞は自発活動をしていま す。この脳幹部の神経活動のノイズが皮質に伝わって皮質が活性化され、夢を見ると考えられています。怖い夢を見た皮質は逃げようとして手足に動くよう指令 を出しますが、脳幹と随意筋の連絡が遮断されているため、体が動きません。non-REM睡 眠中に起こされた人の5%しか夢を覚えていませんが、REM睡眠中に起こされ ると80%の人が夢を覚えています(Sleep Right in Five Nights 1993: 37-39)。

通常は入眠して80-90分間non-REM睡眠を経過し、REM睡眠に入ります。最初のREM睡眠は5-10分程度で終り、再びnon-REM睡眠に入ります。non-REM-REM睡 眠のサイクルを、一晩に4-6回程度繰り返して目覚めます(図1)。1サイクルは90分程度です。睡眠の前半は深いnon-REM睡眠(stage3 と4)とREM睡眠のサイクルで、後半は浅いnon-REM睡眠(stage2) とREM睡眠のサイクルとなります(図1)。またREM睡眠は、睡眠当初5分程度と短く、睡眠時間が経過するにつれ、30-60分まで延 びてきます(Sleep Right in Five Nights 1993: 37-40)。

年齢による睡眠パターンの変化
生まれたばかりの赤子は、ミルクを飲むとき以外は、うとうとと眠っ て過ごします。新生児の場合、睡眠の約40-50%がREM睡眠です。最初の 1-2年でREM睡眠の量が減少し、通常のnon-REM-REM睡 眠のパターンが確立されます(図1)。これ以後、REM睡眠の量は生涯を通じ てあまり変化しません(Principles of Internal Medicine 1991: 209-217)。

30歳を過ぎるころから加齢とともにstage3と4の深いnon-REM睡 眠が減少しはじめ、stage2の浅いnon-REM睡眠が増えてきます。このため高齢者は浅い睡眠しかとれず、途中で目が覚 めたり、朝早く目が覚めたりします(図1)。高齢者はよく不眠を訴えますが、その多くは加齢に伴う生理的現象です。


不眠症(不眠性障害)
成人で睡眠に全く問題を感じない人は、5%にすぎません。睡眠につ いて質問すると半数以上の人が、今までに何らかの問題があったと答えるそうです。睡眠障害は男性より女性に多い傾向があり、加齢に伴って増加します。睡眠 障害は睡眠異常(dyssomnia)、パラソムニア(parasomnia)、他の疾患に伴う睡眠障害の三種類に分けられています(Principles of Internal Medicine 1991: 209-217)。このうち、いわゆる不眠症(不眠性障害)は睡眠異常のカテゴ リーに入ります。

不眠症に関する愁訴は、●寝つきが悪い、●途中で目が覚める、●朝 早く目が覚めるの三種類があります。40-50歳代以下の人の愁訴は「寝つきが悪い」が中心で、高齢者の愁訴は「途中で目が覚める」、「朝早く目が覚め る」が多くなります。また、鬱病の人は「朝早く目が覚める」ようになります。不眠症でクリニックを訪れた人をよく検査してみると、実は十分に睡眠をとって いるケースがかなりあります。まれに、眠れなくて眠ろうと努力している夢を見て、不眠症と錯覚してクリニックを訪れる人があります(Sleep Right in Five Nights 1993: 43-48)。

心理生理性不眠症
心理生理性不眠症は、夜眠れないことが習慣化した状態で、最も一般 的な不眠症です。焦って眠ろうと努力しますが、なかなか眠れません。リラックスして気を落ち着かせようとすればする程、緊張して眠れません。しばしば感情 的な問題(ストレス)で不眠が始まりますが、ストレスと不眠が一定程度続くと、これが習慣化し、条件づけられてしまいます。睡眠状態を調べると、入眠まで の時間が長かったり、夜間しばしば目覚めたり、浅いstage1と2の睡眠が 増えたりしています。心理生理的不眠症の人は、自分の寝室以外の場所で寝たり、普段と違う時間に眠ったりすると、かえってよく眠れることがあります(Principles of Intenal Medicine 1991: 209-217)。

薬物・アルコール依存性睡眠障害
カフェインは眠気をとって覚醒させる作用がありますので、これを大 量に飲むと不眠症になります。通常の人ですと、コーヒーを1日に15-20杯飲むと眠れなくなってしまいます。カフェインで不眠症になった人の睡眠を調べ ると、入眠までの時間が延長し、しばしば目覚め、睡眠時間が短縮しています。敏感な人では3-5杯のコーヒーでも、不眠症になることがあります。

アルコールは気分をリラックスさせ、入眠を促進しますが、逆に睡眠 を妨げる場合もあります。アルコールは脳の睡眠維持力を低下させる作用があるため、酒を飲んで寝ると、夜間にしばしば目覚めることがあります(Principles of Internal Medicine 1991: 209-217)。

高地性不眠症
2500m以上の高地に急速に登ると、高山病がでることがありま す。高山病の症状の一つが不眠症です。高地で眠ると、non-REM睡眠の時 にチェーン・ストークス呼吸がでやすくなります(この呼吸は、REM睡眠で消 失します)。これは中枢性の無呼吸発作を伴う不整な呼吸で、無呼吸のためしばしば目が覚めたり、眠りが浅くなったりします。しかし高地に馴れると、症状は 軽快します(Principles of Internal Medicine 1991: 209-217)。

睡眠時無呼吸症候群
眠っている時に無呼吸発作がでると、眠りが妨げられます。睡眠時の 無呼吸発作は、痰などで気道が閉塞して起るものと、中枢神経の障害によるものがあります。無呼吸発作は15秒と短いものから、150秒も続くものまであり ます。高齢者は睡眠時に無呼吸発作が出やすく、しばしば循環器系に悪影響を及ぼすことがあります(Principles of Internal Medicine 1991: 209-217)。

パラソムニア(睡眠時異常行動)
睡眠にともなって、様々な異常が現れますが、ここでは代表的なもの を概説します。

夢遊病
3-4%の成人が過去に一度は、眠ったまま歩いたことがあると言わ れています。夢遊病は、REM睡眠で夢を見て歩き回るのではなく、non-REM睡眠の深い眠り(stage3と4)の時に外部から刺激を受け、眠りから醒めないままに歩き回ると考えら れています。夢遊病者の脳は半分眠り、半分覚醒したような状態にありますが、感覚器官は機能しているので、障害物を避けて歩くことができます。ドアを閉め たり、車のエンジンをかけたりすることがありますが、本人は何も覚えていません。夢遊病者の目を見ても何も表情はなく、他者の呼びかけにも反応しません が、自分で寝床に戻ることができます。夢遊の時間は10分程度で、夢遊がはじまると無理に覚醒させず、危険がないか注意して見守っているほうがよいと言わ れています(Sleep Right in Five Nights 1993: 57-58)。

夜驚症
夜驚症は夢遊病と同じく、深いnon-REM睡眠で起ります。REM睡眠中に見る悪夢は覚えていることが多いのですが、夜驚症の怖い夢は覚えていませ ん。夜驚症は深い睡眠中に起るため、子供に多く、通常睡眠の前半にでます。

夜驚症の子供は、何かにおびえて突然、寝床の上に起きあがり、手足 をバタバタさせて怖いものと戦う動作をしたり、叫び声を上げて部屋を走り回ったりします。目は見開き、顔は恐怖にゆがみ、体がふるえ、冷や汗をかき、心臓 が高鳴っています。この状態の患者に呼びかけても反応せず、やがて自分で寝床に戻って睡眠を続けます。夜驚症は子供の2-3%に起り、大部分は思春期まで に軽快します(Sleep Right in Five Nights 1993: 56-57)。

悪夢
人はREM睡 眠で必ず夢を見るため、睡眠サイクルにしたがって約90分毎に夢を見ることになります。REM睡 眠は睡眠の後半になるにつれて時間が長くなり、夢も長くなります。20分以上も続く恐ろしい悪夢は、通常睡眠の後半から明け方にかけて見ることになりま す。

人は少なくとも年に1回は悪夢を経験し、毎晩成人の5%が悪夢を見 ると言われています。REM睡眠中に悪夢を見るため、恐怖でうなされている睡 眠者は、体を動かすことができません。マリファナや抗うつ剤を使用すると、REM睡 眠が抑制されます。これらの薬物を中止すると、抑制されていたREM睡眠がリ バウンドして噴き出し、途方もない恐ろしい悪夢が次々に現れます(Sleep Right in Five Nights 1993: 54-55)。

寝言
REM睡 眠中は、体の大きな筋肉は麻痺状態にあり、夢を見ても睡眠者は体を動かすことができません。しかしREM睡眠中でも、発語に使う筋肉は動かすことができます。睡眠者は、REM睡眠中に外部の音を聞いたり、他者の言葉を理解したりすることがあります。このよ うな時、睡眠者は外部の状況を夢に取り込んで発語し、これが寝言となります。また夢の内容に応じて、睡眠者が発語することもあります。

寝言はnon-REM睡 眠中に出ることもあり、深いnon-REM睡眠中にでる寝言は、ムニャムニャ という意味をなさない音だけになります。起床時に自分の寝言を覚えていることは、極めてまれです。(Sleep Right in Five Nights 1993: 58-59)。

いびき
睡眠中に無呼吸発作のでる人は、必ずいびきをかきます。しかし、い びきをかく人全てに無呼吸発作があるわけではありません。成人の半数が睡眠中に多かれ少なかれいびきをかき、4分の1の人が毎晩いびきをかくと言われてい ます。いびきをかく人は、加齢とともに増えます。例えば、30-35歳代の男性の約20%、女性の5%がいびきをかくのに対し、60歳では男性の60%、 女性の40%がいびきをかきます(Sleep Right in Five Nights 1993: 59-60)。


おわりに
私たちは、睡眠に多くの時間を費やしているにもかかわらず、睡眠に ついてあまり知識がありません。睡眠は無駄な時間と考えて睡眠時間を削り、できるだけ長い時間覚醒してたくさんの活動をしたいと考えています。しかし睡眠 は、生きていくために不可欠の時間であり、良好な睡眠が得られないと、覚醒時の活動に重大な支障をきたします。私たちは、人生の3分の1を費やす睡眠を、 もっと大切にする必要があるように思われます。



http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~hoken/Shiori/99Sleep.htm
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